教育界のアベンジャーズが集結!MOOC(ムーク)について「人気のワケ」「課題」「意見を持つべきポイント」まで分かりやすく解説
こんにちは、さのMIXです。
MOOC(ムーク)について、
用語の意味から背景・課題、意見を持つべきポイントまで解説します。
1.MOOCとは
MOOCとは"Massive Open Online Course"の略で、
大規模公開オンライン講義という意味です。
2.MOOCが世界中で大人気のワケ
MOOCは世界で5000万人以上受講者がいると言われています。
50,000,000人です!
日本のMOOCは「JMOOC」と呼ぶのですが、
このJMOOCも2017年には受講者数40万人を突破しました。
※「大学のオープン化に関する調査結果報告(2017)/ JMOOC」より
日本だけでも400,000人です!!
なぜ、MOOCは日本で、世界中でこんなにも利用者が多いのでしょうか?
ポイント3つを順に書いていきますね。
2.MOOCのポイント3つ
2-1.教育界のアベンジャーズが集結している!
他にも世界中のトップ大学がMOOCに参戦しています。
コースを修了すると、修了書がもらえる講義もあり、
「おれ、ハーバード大学修了者なんだよね~」
「キャー!すごい!」
なんてギャグもできたりできなかったり。笑
ちなみに"教育界のアベンジャーズ"という表現をしましたが、
・ヒーローが集結して世界最強の教育ヒーローズとなっている
・ヒーロー同士で熾烈なバトル・ロワイヤルが繰り広げられている
という2点で映画のアベンジャーズにもとてもよく似ているなあと思ったり。笑
2-2.そこのキミも!画面の前のあなたも!みんな誰でもアベンジャーズに会える!
映画のアベンジャーズには会えませんが、
教育界のアベンジャーズにはなんと会えるんです!
画面越しですけどね。笑
でもこれはかなり画期的です!
これまで大学の教授の講義(国の最高レベルの研究内容)を知ることができるのは、ほぼ大学生のみでしたが、その対象が全国民になったということです。
~30歳とかではないです。~50歳でもないです!!
大学生のあなたはもちろん、
転職活動を行うあなたも、
主婦のあなたも、
シニアなあなたも、
生まれたてのベイビーなあなたですら!
国の最高レベルの知を学べるのです。
これ、すごいことですよね。
2-3.アベンジャーズが24時間いつでもどこでも
「私は栃木県在住で遠いから…」
「私なんて択捉島よ」
と思ったアナタ!
会えるんです、教育界のアベンジャーズに。
(とりあえず栃木県のかたに謝っておきます。しばし謝罪タイム m(*・´ω`・*)m)
オンライン講義なので、いつでもどこでも講義を受けられるんです。
自宅で世界最高レベルの講義を受けられる!
MOOCを受けたくなってきたでしょうか?笑
きたと思います(確信)
しかし残念ながらこの記事は、受講させるのが目的のアフィリエイト記事ではないので、丁寧に具体例を挙げて使い方を説明して…ということは書きません。笑
とはいえ、MOOCの理解を深めてもらうために
簡単にですがこの後に具体例を紹介しますね^^
その前に、MOOCの課題について先にお伝えします。
3.MOOCの課題
MOOCがいかに最高なのかは伝わったと思います。
しかし、MOOCは大きな課題を抱えています。
諦めてしまう。
これです。
「今日からワタシもハーバード生よ!」
と意気揚々とMOOCをスタートさせた人のうち、
修了まで辿りつける人は10%以下と言われています。
EDX(後ほど紹介します)というMOOCを提供している組織の調査では、終了率が5.5%だったとのことです。。なんてことだ。
理由は3つほど挙げられます。
・無料なので始めやすく止めやすい
・コースの難易度が高い
・一人で学ぶのでモチベーションが続かない
この大きな問題を抱えつつも、徐々に拡大してきているMOOC。
では、実際にどのようなMOOCがあるか見ていきましょう!
4.具体例を紹介!
「旧来型のMOOC」と「新型のMOOC」の2つ紹介します。
4_1.【旧来型】ハーバード大学や東京大学が集うEDX
まずEDXです。MOOCが広まるきっかけとも言える大規模なものです。
ハーバード大学や東京大学など世界の有名大学が参戦しています。
なんと無料。でも一部有料。
受講した講義(コース)に合格すれば、修了書がもらえます。でも有料。笑
開講されている授業としては理工系が多いようですが、芸術系など人文社会系の講義もあるので、試しに受講してみてもよいですね!
ハーバード大学の講義を、今すぐ受講できるってすごいですよね。。
▼「The Science of Everyday Thinking」という日常の思考を科学するコースなどがあったり
無料なのにクオリティが高い…
▼雑ですがEDXへのリンクはっておきますね!
4_2.【新型】次世代MOOC!生放送授業を365日提供する"Schoo"
『世の中から卒業をなくす』
をモットーに事業を展開しているのが、「Schoo」です。
大人でもいつまでも学んでいけるよう、健康・お金などキャッチーな講義を提供しています。
また、365日生放送で授業を行っていることも特徴です。
先ほど課題で触れた通り、MOOCは
・無料なので始めやすく止めやすい
・コースの難易度が高い
・一人で学ぶのでモチベーションが続かない
がゆえに修了率が非常に低いです。
この課題に対して、生放送でコミュニティを形成するなど工夫を重ねて成長しているのが「Schoo」です。
正直、サイトを見比べてみて、私も受講するなら「Schoo」のほうがおもしろそうだなあと思います。
▼こちらも雑ですがSchooへのリンクです!
5.意見を持つべきポイント
MOOCについての説明は以上です。
就職・転職活動で大学研究中のかたは、以下の2つのポイント
・あなたの受験する大学はMOOCに参加すべきか?
・既に参加している大学であれば、どう伸ばすか?
を考えておきましょう。
MOOCにすでに参加している大学であれば、いま大学が感じている課題や今後の展望を推測しましょう。
「(大学名) MOOC」などでヒットした記事を30分ほど一通り読めば、おおむね方針はつかめると思います。
例えば、東京大学の2018年のこちらのニュース
本学のMOOC「Four Facets of Contemporary Japanese Architecture: Theory」が、日本建築学会教育賞(教育貢献)を受賞 | 東京大学
を見ると、英語で提供されている講義のシリーズのようです。
日本の大学が「英語」の講義を提供するってかなりパワーのかかることだと思いませんか?
それでも講座を提供しているということは、戦略的に海外からの評価を高めていきたいのだと推測できます。
▼こちらの過去記事でもMOOCについて言及している
ので、まだ読んでいないかたはさっそくご覧ください!
では!
イノベーション人材育成のカギ!DD(ダブル・ディグリー)を背景から分かりやすく解説
こんにちは、さのMIXです。
DD(ダブル・ディグリー)について、
用語の意味から背景・課題、意見を持つべきポイントまで解説します。
1_DD(ダブル・ディグリー)とは
”Double Degree”の略です。
「我が国と外国の大学が、教育課程の実施や単位互換等について協議し、双方の大学がそれぞれ学位を授与するプログラム」と文部科学省は定義しています。
(文部科学省/平成22年/『我が国の大学と外国の大学間におけるダブル・ディグリー等、組織的・継続的な教育連携関係の構築に関するガイドライン』)
簡単に言うと、
大学生の4年間のうちに、日本の大学と海外の大学の両方の学位を取得できる
という制度です。
これまで、4年間で日本の大学の学位しか取得できなかったのが、
同じ4年間で海外の大学の学位も取得できるようになってきているのです!
なかなか画期的じゃないですか?
2_ダブル・ディグリーがホットな背景・理由
なぜ、文部科学省はダブル・ディグリーを推進しようとしているのでしょうか?
その理由は、文部科学省の『我が国の大学と外国の大学間におけるダブル・ディグリー等、組織的・継続的な教育連携関係の構築に関するガイドライン』(平成22年)に書かれてあります。
ですが、
「世界的なグローバル化の進展を背景に,高等教育においても,世界規模で国境を
越えた学生や教員の流動化をはじめとする高等教育全般の国際化が…」
などと長文のためここで超シンプルにして伝えますね^^
理由は、
①日本の優秀な学生を海外でパワーUPさせる!
②海外の優秀な留学生をGETする!
この2つです。
ここからは筆者の主観ですが…
先進国に求められているのは「イノベーション」です。
「将来、仕事のほとんどがAIに取って代わられる!」とよく言われますが、新しい発見をする、つまりイノベーションを起こすことは人間にしかできません。アメリカが強いのは、たくさんのイノベーションを起こして、世界の最先端を走っているからなんですよね。
そこで、ダブル・ディグリーで、
優秀な日本人学生さんが海外の研究に触れて、視野が広がること。
海外の優秀な留学生を受け入れて日本の研究に新たな風を吹き込むこと。
を期待しているわけです。
3_ダブル・ディグリーを実施している大学の例をもとに解説
では、ダブル・ディグリーとは具体的にどのようなものなのでしょうか?
慶応義塾大学の
「ボッコーニ大学とのダブルディグリー・プログラム」
を例に見てみましょう。
3_1_どうすれば海外の学位も取得できるのか
大学3年生か4年生のときに1年間、ボッコーニ(イタリア・ミラノ)に留学すればOKです。
かなり分かりやすいですね!
出典:ボッコーニ大学(イタリア・ミラノ)とのダブルディグリー・プログラム - 留学 - 経済学部 - 慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科
3_2_海外滞在中の費用は出るのか
海外の大学に授業料などを支払う必要はありません!
ただ、生活費は自腹です。当たり前っちゃ当たり前ですが。
多くの家庭では厳しいでしょう。汗
学費:留学中は、慶應義塾大学に支払い、ボッコーニ大学へ学費を払う必要はありません。
生活費の目安:1ヵ月に約15万円(住居€500~900、食費€200~250 ほか計€900~1350)。
また、イタリア滞在中に有効な留学健康保険に必ず加入します(約170,000円/年)。出典:ボッコーニ大学(イタリア・ミラノ)とのダブルディグリー・プログラム - 留学 - 経済学部 - 慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科
4_ダブル・ディグリーの課題
ここまで、どうでしょうか。
「ダブル・ディグリーすげぇ!バンバン推進していくべきっす!」
と思うかもしれませんが、実は課題も山積みでして…。
文部科学省のサイトでは下記が課題として挙げられています。
-各国政府がジョイント・ディグリーについてデータを十分に有していない
-連携プログラムの結果としての修了証と、国家としての認定が必ずしもつながらないケースが存在する
-法的な問題や規制の存在により、ジョイント・ディグリーを修得しても、国家が認める学位は一つしか得られない場合が多い
-学位記において複数機関の名称を付することが法的に困難な国が多い
-学位取得に当たり少なくとも半分以上の単位を当該機関で取得するよう求める規制を設ける国が多い
また小難しいですね。
上記は興味があれば御覧いただくとして、
筆者が思う現実的な2つの課題を挙げますね。
1つめは、"学生の負担の重さ"です。慶応義塾大学の例で見た通り、「食費は自腹」のところが多いです。海外で1年間、自腹で生活し続けるためには家庭にそれなりの収入が必要です。また、大学3年生のときに留学するとなると、就活タイミングとまるかぶりすることになります。
2つめは、"海外の大学との調整"です。例えば、海外の大学のカリキュラムが「3年間スパン」で構成されている場合、途中で日本の学生が1年間や2年間留学しても、中途半端になりますよね。こういった不都合をなくすには、日本の大学と海外の提携大学との長期に渡る交渉・調整が必要となり、その負担の高さがダブル・ディグリー制度の整備が遅れる大きな原因となっていると考えられます。
5_意見を持つべきポイント
ダブル・ディグリーについての説明は以上です。
どのような感想をもちましたか?
推進すればよいことは明白なので、意見を持つべきポイントは、
・どの観点で改善すればダブル・ディグリーを推進できるか
だと思います。
やはり学生への支援や海外の大学との調整で解決するしかない!
いやいや、そもそも、ネットが発達した現代、海外に行かずにオンラインコース上で講義を受ければ解決なのではないか!?
などなど。
もし大学職員への転職活動中でしたら、
今すぐ「(受験する大学名) ダブル・ディグリー」で検索しましょう!
そして、そのダブル・ディグリー制度が伸び悩む理由を考えてみましょう。
きっと、その大学への理解が深まるはずです^^
働き方改革の次にくるのはコレ!1分で分かる「リカレント教育」
こんにちは、さのMIXです。
「働き方改革のニュースが日々流れてきますね。」
「そうですね!社会人で定時で帰れる人が増えたら、今後は、リカレント教育が進むかもしれませんね!」
みたいな会話がされていたりいなかったりするこの頃ですが、
このリカレント教育って何なのでしょうか?
簡単にまとめました。
1_リカレント教育とは
社会人を対象とした教育のことです。
英語でいうと"Recurrent Education"です。
"Recurrent"には「再発」という意味があり、直訳すると「再発教育」ですね。
2_理解のポイント
寿命が世界的に伸びる中、OECD(経済協力開発機構)により「一生学ぼうぜ!」という提案がされました。それが、「リカレント教育」です。
リカレント教育の背景を理解しやすくなるキーワードは
①これまでの日本では実施率が低い
②働き方改革で社会人の時間がとれる(予定)
だということです。
①について。文部科学省が平成30年に「リカレント教育の拡充にむけて」という資料を作成しています。下記です。
▼リカレント教育の拡充にむけて / 文部科学省 (平成30年7月31日)
この中で、リカレント教育の課題として、
・プログラムの総数が少ない
ことを挙げているなど、これまで日本ではリカレント教育があまり盛んではありませんでした。
「ただでさえ残業だらけで忙しいのに、終業後に大学に学びになんか行くもんかい!泣」
というところですかね(笑)
これまで、日本では「リカレント教育」があまり実施されず、文部科学省は課題を感じている。ということがひとつポイントです。
②について。働き方改革が近年アツイですね。この改革が上手くいくかどうかはともかく、予定では「社会人は定時で帰る!」ことになっています。
でも、これまで夜遅くまで働いていたのに、急に定時で帰って何をすればいいのでしょうか?
そう、リカレント教育ですね(笑)
働き方改革が成功した後、次にくる予定なのが「リカレント教育」なわけです。
そこにむけて文部科学省も資料を整えているということですね。
MOOC(大規模公開オンライン講座)など、ネット上で学べる機会が増えてきているので、あとはほんとに定時で帰ることさえできればリカレント教育を実施する環境が整います。
働き方改革が上手くいかなければ、リカレント教育も上手くいかないし、その他多くの施策も回らない…国が本気で推進しているのも理解できますね。。
以上、簡単にリカレント教育について紹介しました^^